「経営のことを税理士に聞くなんてナンセンス？」──いいえ、特化税理士の現場から見える真実

先日、X（旧Twitter）にて「薬局経営者からこんな相談を受けました」といった投稿をしたところ、あるフォロワーさんからこのようなコメントをいただきました。

「自分の業界のことは自分が一番わかってる。税理士に薬局経営の相談するなんてナンセンス。」

率直な意見、ありがとうございます。そして、半分は確かにその通りです。

私も税理士になってしばらく経ち、さまざまな業種の顧問を経験してきましたが、薬局以外の業種では「売上・経費・利益」の試算表の話しか深掘りできないことがほとんどでした。

ですが、今の私のところには、薬局経営者からの経営相談が次々と舞い込んできます。

たとえば──「在宅を本格化したい。どう営業をかければいい？投資回収は？」「分業の動きがある中で、次の一手は何か？」そんな問いに、私は数字の裏付けを添えて、一緒に作戦を立てています。

もはや“過去の帳簿”を整理するだけの税理士ではなく、“未来の経営”に並走する存在になっているのかもしれません。

なぜそんなことができるのか？──業種特化の情報集約性

このような経営相談に対応できるようになった背景には、「薬局業界に特化した税理士」としての情報集約性が大きく関係しています。

薬局経営者が得られる情報といえば、

が主流です。しかし、私はそれに加えて──

こういった情報を横断的・立体的に集約し、咀嚼しています。中には、数十社以上の薬局の財務・経営の実態が、私の中に蓄積されています。これはネットにも書籍にも載っていない、税理士の実務現場だけに集まる情報です。

思い返すと、薬局のお客様と話す内容は、過去の数字の話だけではありません。「今ある資金をどう活かすか」「来期の改定をどう乗り越えるか」「M&A、事業承継、在宅強化にどう備えるか」そうした未来志向の問いかけがどんどん増えてきました。

もちろん、私が他業種の顧問先であれば、ここまでの会話は成立していなかったかもしれません。けれど、薬局専門であること、業界にどっぷり浸かっていること、情報が自然と集まる構造が、私を「税理士」でありながら「経営参謀」のようなポジションに導いてくれたのだと思います。

経営の意思決定には、必ず数字が伴います。しかし、その数字は「ただの履歴」ではなく「未来への布石」となるものです。

薬局という業界に特化し、その数字と現場の動きを一体で見てきたからこそ、私は「税理士」でありながら、未来を共に描くパートナーでいられるのだと思います。

「経営のことを税理士に相談するのはナンセンス」

そう思われても仕方がない時代もありました。でも今は、業界特化型の税理士が、そこを乗り越えつつあることも、ぜひ知ってもらえたら嬉しいです。