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月次損益で「売上総利益<技術料」となる理由とは?


こんにちは、調剤薬局専門税理士です。今回は、とある薬局経営者の方からいただいたご質問をもとに、月次損益において「売上総利益が技術料を下回ってしまう」という一見不思議な現象について解説していきます。


なぜこのような事象が起きるのか

世の中には薬価より高い仕入れ値の薬(いわゆる逆ザヤと呼ばれるもの)はあるようですが、通常であれば、薬価(売値)より安く仕入れているため、売上総利益が技術料を下回ることはそうそうありません。しかし、税理士の立場からすると、会計上では以下のような認識の不一致により、数字がゆがんでしまうことが多々あります。


  • 売掛金や売上の計上方法が不適切である

  • 月次棚卸数値を反映していないため、仕入原価が過大に計上されている


とくに後者は実務上よく見られる原因です。

毎月棚卸しをすることは労力がかかるため、期末のみ在庫調整を行っている薬局も少なくありません。しかしその場合、月次損益上は「その月に仕入れた薬がすべて売れた」とみなされ、原価が大きく計上されてしまいます。


具体例

たとえば、高額な薬を大量に仕入れた月に、その薬がまだ患者様に渡っていない場合、薬剤料(売値)は少額のままなのに仕入れ原価だけが先行して計上されます。この結果、技術料+薬剤料の合計に対し、売上総利益が極端に低く見える、という現象が起こります。


正確な月次損益を出すためには

当事務所では、月次損益の精度を高めるために、次のような対応をお願いしています。


  • 月次または四半期ごとの棚卸データを提出していただく

  • 売上・売掛金の計上基準を統一し、月次ベースで確認する

  • 技術料や薬剤料の推移を経営指標としてモニタリングする


これにより、売上総利益が「技術料+薬剤料」の合計に極端に乖離しないよう調整しています。もちろん、完全に一致させるのは至難の業ですが、経営判断に使えるレベルの精度に近づけることは可能です。


税理士とのコミュニケーションがカギ

調剤薬局の会計は、技術料や薬剤料という独特の構造があるため、通常の小売業やサービス業とは異なる視点が必要です。薬局の実態を理解した税理士と定期的に情報共有をすることで、誤解を防ぎ、経営判断に役立つ正しい数字を把握することができます。


まとめ

月次損益において「売上総利益<技術料」という現象が起こる場合、その多くは「計上基準のずれ」や「在庫データの未反映」が原因です。調剤薬局の会計は特殊性が高く、ほかの税理士が薬局に詳しくないのはある意味しかたのないことです。だからこそ、調剤薬局専門税理士としての知見が必要です。もし同じようなお困りごとや疑問点がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。


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